山行日 平成25年2月22日(金)~24日(日)
 この週末は、22日(金)夜にj女性2人男性4人の6人パーティで和歌山を出発、乗鞍岳の登頂を目指しました。・・・が、今冬一番の大寒波が列島を覆い尽くすって、なんともありがたくない予報もでてたりして。(^_^;)

 乗鞍岳にはこれまでに5~6回行っています。夏ならバスを降りてからスニーカーでも登れますし、積雪期も比較的簡単な山です。3000m峰としては一番登りやすいんじゃないかなあ・・・、とは思いますが、独立峰とあって厳冬期の低温と強風はハンパではありません。樹林帯を抜けて位ヶ原の平原でその低温と強風に加え、吹雪やガスに視界を失ったら大変なことになること必至です。・・・ということで、今回登頂は恐らくダメだろうけど、まあ初心者も含むパーティとあれば、その厳しさの一端を体感するだけでも値うちがあるだろうと、予定通り出かけました。

 深夜、東海北陸道を走るときから大雪で、乗鞍高原温泉スキー場に行く道は懸命の除雪も追いつかず車でラッセルする状態。雪の中を漕ぐようにしてなんとか駐車場に到達し仮眠しました。

 翌23日(土)朝一番のリフトでスキー場最上部へ到達。そこで足ごしらえをし、勇んで雪の中に踏み込んでゆきます。その足ごしらえは、私だけがシール装着のテレマークスキー、あとはスノーシューが2人、輪かんじきが3人の構成でした。

 スノーシューの2人がトップを務め、輪かん組が続き、リーダーの私がラストを歩きましたが、これがえらいのなんの。息が上がり、先行する5人との間がすぐに開いてしまいます。ビンディングの調子が悪いとかシールの効きが悪いとか、まあ、上げられる言い訳もなくはないのですが、最大の原因は体力不足と腰痛ですねえ。 はあ・・、なんとも情けない。

 と、ワタクシがお荷物になる状態でモタモタしているうちに、なんとかもっていた天気も次第に崩れ、強風が吹き出しました。もし天気が良ければ、この日のうちに登頂する予定でしたが、位ヶ原に出る前に天気が崩れてきたので登頂は断念し、宿泊予定の位ヶ原山荘に直行することにします。

 位ヶ原山荘までは、辛うじて先行者のラッセル痕らしき溝が所々雪上に認められましたが、ほぼバージンラッセルで、通常はスキー場から2時間のところ、しっかり4時間かかってなんとか到達。 小屋に着く頃には雪も強くなっていて視界も霞んできていましたから、上に行かずに正解でした。


雪に埋まる位ヶ原山荘
 
この日、宿泊したのは、我々以外にはカップルがひと組だけ。談話室は貸し切り状態で、「呑んべえ山岳会」として知られる我が紀峰山の会とあればいわずもがなの大宴会。それぞれが重荷も苦にせずしっかり持参してきた吟醸酒やワインやウイスキーや焼酎や様々な酒肴類がコタツの上に並び、夕食まで4時間ほども呑みつつ与太話で盛り上がってたかなあ・・・ これだから、いくらしんどくても山はやめられないんだよね。(^_^)v 
 
 
外は風雪地獄、小屋は天国 (^_^)v
 
 翌24日(日)、雪に埋め尽くされてすべての窓が真っ暗な小屋で目覚め、外の様子はどうかと試しに小屋の玄関を少し開けてみれば、たちまち小屋に雪崩れ込む地吹雪で一瞬のうちに全身が真っ白になる。どうやら外は昨日に倍するブリザードだ。これでは登頂などとても無理なので、全員で即刻下山することにしました。 
 
 小屋の前で出発の足ごしらえ
  小屋番にお礼の挨拶をして山荘を離れるやブリザードの洗礼を受ける。気温はマイナス22度。これに強風と吹雪が加わるのだから寒さは強烈だ。とても風上に顔を向けてはいられない。頂上はきっともの凄いことになっているだろう。その中を完全なバージンラッセルで前進して行く。昨日は登りに4時間も要したが、今日は下りだからまあ3時間もあれば・・・、なんて甘い考えは全然通用せず、安全地帯のスキー場に出るまで雪だるまになって悪戦苦闘しつつ、やはりきっちり4時間を要した。
 
悪戦苦闘し雪だるま状態で下山
  まあ、登頂はできなくとも、冬山らしい冬山をしっかり体験したということで、今回は満足して和歌山に戻った。・・・のだけど今朝、起きてみると、なんだか頬骨の周囲がカミソリ負けでもしたようにピリピリする。あまり気にはしていなかったのだが、洗面所に立ってその原因がわかった。そのピリピリする頬骨周辺の皮膚が変色し小さく裂けた部分もあるのだ。軽い凍傷だった。

 行動中は全員、目出帽とゴーグルで顔を被っていたのだが、自分はこれが息苦しくて長時間は耐えられない。苦しくなると、つい外して厳しい寒気の中を素肌で動いていてしまう。たしかに顔に冷たい感覚はあるが、山にいる間はまあそれだけのことだ。ところが、下界に降りて暖まると、なんつうか、冷凍食品が解凍されるようなものかなあ、きっちり凍傷の症状が現れるのだ。こんな症状はずいぶん久しぶりだが、しばらくは世間様に見苦しい顔(日頃から見栄えのする顔ではもちろんないが)を晒すしかないなあ・・・  ま、これも山男の勲章ではあるのだけど。 ともあれ、全員無事下山できて、結構でした。

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